出版・著作
著書
道路整備事業の大罪
洋泉社(2009.8)
これまでの日本の道路整備は、田中角榮の「日本列島改造論」に象徴されるように、それが地方を豊かにし活性化するとの理由で推進されてきた。本研究では、この前提に対して疑義を呈し、「ストロー効果」、「限界集落」、「自動車代による家計圧迫」などの視点から、道路整備がかえって人口流出や地域経済の衰退を招きうることを論じている。また、ジェイン・ジェイコブスなどの先人の研究成果を踏まえつつ、道路がもたらす「コミュニティの空間的分断と崩壊」、「子供の遊び空間の喪失」、「商店の喪失に伴う生活環境の悪化」などの負の側面を多角的に分析している。さらに世界的な脱自動車・脱道路の潮流とその背景にある政策的意図を整理、紹介し、道路政治に公共事業予算を偏在させてきた日本の政策の異質さ、そしてそれが現在社会に及ぼしている問題点を指摘している。
論文
『龍谷大学政策学論集第9巻第2号』
2020.03
「小平都市計画道路3.2.8号府中所沢線」に関する市民の意向調査
「小平都市計画道路3.2.8号府中所沢線」の沿道住民が、この道路についてどのような意見を有しているのかを調査した。
『日本建築学会計画系論文集』第82巻 第742号
2017.12
ホイヤスヴェルダ市(ドイツ)の集合住宅の撤去政策の都市計画的プロセスの考察 <査読付き>
ザクセン州の工業都市ホイヤスヴェルダにおける集合住宅の撤去政策がどのような背景で計画され、そしてどのように遂行されたかを、これまでの計画書等の文献調査、さらには現地での取材調査、そして現地踏査から解明した。
Cities(Volume 69, September 2017, Pages 124-132)
2017.9
The development of urban shrinkage discourse and policy response in Japan <査読付き>
1960年代から現在までにかけての日本における縮小問題に関する論説を概観し、これらの論説が具体的な縮小をどのように解釈し、縮小のどこを問題であるかと分析し、それらの論説が政策形成にどのような影響を及ぼしたのかを考察した。そして、その結果をドイツ、アメリカの同問題に関する論説の展開と比較し、日本の縮小問題が都市計画的文脈で語られるようになったのは二国と比べると最近であり、それまでは主に高齢化・少子化、そして都市問題というよりかは過疎問題という地域的問題で議論されてきたことを大量の文献調査の整理から明らかにした。
月刊公明 (総7頁)
2006.12
人口縮小時代のまちづくり
旧東ドイツの人口縮小の実態、そして政策に関して整理をした。そして、日本の縮小地域である夕張などは、旧東ドイツの取り組みから学ぶことが多いことを論じた。
研究ノート・雑誌記事等
不動産協会『FORE』(No.99)(2016.5)
ワールド・ワイド・シティレポート「バルセロナ」
不動産協会の雑誌にて、バルセロナの都市レポートを執筆した。
不動産協会『FORE』(No.97)(2016.1)
ワールド・ワイド・シティレポート「プラハ」
不動産協会の雑誌にて、チェコの首都のプラハの都市レポートを執筆した。
不動産協会『FORE』(No.94)(2015.7)
ワールド・ワイド・シティレポート「サンフランシスコ」
不動産協会の雑誌にて、サンフランシスコの都市レポートを執筆した。
『大学時報』 第362号 (2015.5)